2007年06月04日

加藤廣氏の三部作

 昨日、「秀吉の枷」について書いたが、静岡新聞の読書欄に同じ加藤廣著「明智左馬助の恋」の書評が掲載されていた。以下はその抜粋。

 時代小説の「歴史もの」の楽しみは、通説に対して異説を立てることだ。「信長は本能寺では死ななかった」ことと"秀吉と光秀は同じ思考から同じ謀反を計画し、ほぼ同時に決行した"という二つの異説が新鮮である。
 異説を立てるには旧説にとらわれない奔放な想像力と、今まで顧みられなかった資料を広く探って、説得のある論拠を提示することが必要であり、今までの時代小説の外にいる人で博識な年配者から面白い作品が出る。加藤氏はこの条件に当てはまる。

 「秀吉の枷」の中に"明智左馬助"が出てくるが、昨日述べたように「秀吉の枷(上)」は「信長の棺」に関連しており、「秀吉の枷(下)」さらにこの新作「明智左馬助の恋」で三部作が完成したそうだ。

 私は「秀吉の枷(下)」、「明智左馬助の恋」の順で読む予定であるが、新聞の評者はなぜか"新しい読者には"三部作"を逆の順で読むことをお勧めする"とのこと。  


Posted by 風車 at 20:20Comments(0)