2007年01月31日

田原総一朗氏の講演会を聞きました

 静岡市文化センターで開催された田原総一朗氏の「時代をよむ」と題した講演を聞きました。経済講演会というものの、最近の政治情勢、コンピュータの性能と人間の頭脳についても紹介してくれました。
 以下は氏の話した内容の一部。

1.最近の政治情勢
 安倍首相が苦戦している理由のひとつは,小泉前首相の大衆扇情型と違い、従来の党内調整型でとてもまじめであること。
 小泉政権が長く続いた裏には次の3人の存在が大きい。
学界から転じ、経済政策を強引に進め、不良債権処理に貢献し、首相退陣とともに辞任したT大臣、新聞、TVに加え、スポーツ紙、週刊誌、ラジオを牛耳り、新任大臣の身体検査を徹底的に行ったI秘書官、総裁選で争い、最後には離党させられた敵役のK氏。
 安倍さんの敵役は、参院のドン、A氏であるが、役者が一枚上手であり、逆に手玉に取られている。

2.これからの経済情勢
 バブル後の低迷、デフレの原因はバブル崩壊に加えて、アメリカが20年前に経験したIT革命、インターネットによる世界情勢把握、金融の自由化などへの対応遅れがあったため。
  旧来の経営常識が通用しないことを経営者がようやく理解し、遅ればせながら日本も産業構造の転換を始めたので、今後10年間、経済は大丈夫。
 「格差」あってよいし、なくならないが、底辺をあげる必要がある。これからはトップランナーがマーケットの70%を独占し、2位以下は残りの30%の取り合いとなる。他社との違いのある製品をつくるには、最前線の社員のやる気を高める施策が必要。

3.コンピュータ性能は人間の頭脳を越える
 ソフトバンク孫社長との会談。2018年ごろ、コンピュータの性能が人間の頭脳に並び、2020~2030年ごろにはコンピュータが考えることを始める。
 コンピュータが人間を滅ぼす心配は? 人類が20万年にわたり発展してきているのは、脳細胞がいろいろな欲望"快楽"を求めてきたことによる。欲望から生じたいくつもの大きな戦争もあったが、今日があるのは脳細胞がお互いを助けたいという"愛"を求めているからであり、人間が作ったコンピュータも"愛"を求め、共存共栄する。

 3つ目は"禅"の世界のようであり難しいが、TVで見るいつもの田原氏の口調に乗せられた一時間であった。

  


Posted by 風車 at 23:37Comments(1)