2007年04月14日

「坐漁の人」「空っ風」諸田玲子の作品

 2月に諸田玲子さんの講演会に行ったことはここに書きましたが、その作品についてはあまり読んでなかったので今回タイトルに記した2冊の本を読みました。

 いずれも静岡、というか清水、由比、興津に関する短編と、後者は清水の次郎長一家の中では有名であったが、あまり取り上げられなかった「小政」の次郎長との出会いから確執について書かれたものです。

 「坐漁の人」の短編は「由比正雪」と明治の元老「西園寺公望」暗殺の企てのほか次郎長に関連した「2代目お蝶」と「大政」のお話です。

 これらの小説は作家の考えを基にしたフィクションですから史実がどうであったかは別問題です。
 昨日、清水区港橋そばの次郎長が経営したという船宿「末廣」に入ってみました。ここは2度目ですが、中の店員の女性がとても親切に「次郎長」のことを説明してくれます。
「坐漁の人」「空っ風」諸田玲子の作品
 1Fには等身大の次郎長の人形や次郎長と山岡鉄舟を結びつける遠因となった"咸臨丸"の模型、2Fには英語塾の様子などが展示されています。

 子供の頃の東映映画で見た「東海道の侠客」だけの次郎長だったらこんなに人気は出なかったでしょう。明治維新の転身が今日の伝説を作り、その意味で先見の明のあった人だと思います。
 また、その成功には3代目「お蝶」さんのコントロールも見逃せないようです。



Posted by 風車 at 20:23│Comments(0)
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
「坐漁の人」「空っ風」諸田玲子の作品
    コメント(0)