2008年01月26日
「姦婦にあらず」を読んで
諸田玲子作「姦婦にあらず」を読み終わった。これは彦根藩主井伊直弼の不遇の時代をともにし、その後国学者・長野大膳と共に女密偵として幕府を維持するために働いた村山たか女の生涯を描いた長編。
たか女は直弼の兄、直弼、大膳などとの男性遍歴から歴史上では"姦婦"としての評価となっている。桜田門外の変で直弼が水戸藩士に暗殺された後は追われの身となり、尊皇攘夷派に捕まり京都三条河原で三日三晩晒された後、釈放されて京都・金福寺で尼として生涯を閉じた。
インターネットで「村山たか」を検索すると捕まった後についての記述が多い。また、金福寺には川原に晒されているたか女の絵も残っている。
一方この小説は2005年5月30日から翌年7月8日まで日本経済新聞夕刊に連載されたもので単行本としては504ページの長編であるが、たか女逮捕以降の部分は量的にはあまり多くない。
埋木舎(うもれぎのや)で直弼と出会い、娘を得たが兄との関係がばれて直弼から遠ざけられてもなお、また藩主として大老として表舞台で活躍する直弼を裏から支え続けるという一途な女として描かれている。
一年前、静岡・女性会館で行われた講演会で諸田氏が"世に悪女といわれた女性を、女性の目から描きたい"と言っていたことを思い出す。また、昨春彦根城を訪れたとき見たお堀の傍の"埋木舎"が目に浮かんだ。
たか女は直弼の兄、直弼、大膳などとの男性遍歴から歴史上では"姦婦"としての評価となっている。桜田門外の変で直弼が水戸藩士に暗殺された後は追われの身となり、尊皇攘夷派に捕まり京都三条河原で三日三晩晒された後、釈放されて京都・金福寺で尼として生涯を閉じた。
インターネットで「村山たか」を検索すると捕まった後についての記述が多い。また、金福寺には川原に晒されているたか女の絵も残っている。
一方この小説は2005年5月30日から翌年7月8日まで日本経済新聞夕刊に連載されたもので単行本としては504ページの長編であるが、たか女逮捕以降の部分は量的にはあまり多くない。
埋木舎(うもれぎのや)で直弼と出会い、娘を得たが兄との関係がばれて直弼から遠ざけられてもなお、また藩主として大老として表舞台で活躍する直弼を裏から支え続けるという一途な女として描かれている。
一年前、静岡・女性会館で行われた講演会で諸田氏が"世に悪女といわれた女性を、女性の目から描きたい"と言っていたことを思い出す。また、昨春彦根城を訪れたとき見たお堀の傍の"埋木舎"が目に浮かんだ。
Posted by 風車 at 19:01│Comments(0)